Sさん (12歳)
息子は、胃ろう設置をした後、三歳から、ミキサー食シリンジ注入を始めました。12歳になる今現在も、シリンジで手押しをしてミキサー食を注入しています。
日頃作るおかずを、本人用にミキサーで支度をして注入をします。忙しいながらも、私が簡単に準備をしてできるのです。
私は、「いろんな食材を、おいしく食べてほしい。」と思っています。それは、何よりも身体が育ってほしいのです。息子は、幼児の頃から食べたものを吐くことが多かったので、強くそう思っていました。
もちろん、口から食べることができれば、パンのふわふわ感など、食感も楽しめ、脳にも刺激が与えられるし、栄養価の高いものを食べて身体も育つと思いますが。
でも、「ミキサー食注入」は、それを補うことができることがわかりました。おかずやごはんのおいしいにおいを感じ、香りを楽しむことができます。胃にあるセンサーで味わうこともできると聞きました。私の願いである「いろんな食材を、おいしく食べる。」ことができるのです。
私達家族が、食卓を囲んでおいしそうに食べていると、息子は、口をもぐもぐと動かし始め、食べたそうにしています。息子自身が、「食べたい」と表現しているので、何としてでも、おかずやご飯をあげたくなります。
そして、家族と同じ食事を、同じ時間にできるので、同じご飯の話も一緒にできます。
栄養剤だけでは味わうことができない、家族のだんらんのひと時があります。さらにうれしいことは、食事の注入を日々続けていくことで、10歳ころから、吐くことがなくなりました。吐くことがなくなると、さらに「食べる」楽しみが増してきました。
「食べられる」ことは、とても大事だと思います。親だったら、誰でも思うことです。
それができない子に、「胃ろう」という手段で、いろんなものを食べさせてあげられる喜びを知りました。それはとてもかけがえのないものです。
ただでさえ、未熟で病気のある子で産んでしまったので、「ミキサー食注入」で食べられるなら「食」で健康にしてあげたいと、切に思っています。
そのために、簡単に使え、食材のつまりのない、既存規格接続コネクタを残してくださるように、お願いいたします。